概要
3/6(金)-7(土)に開催を予定していたHAIシンポジウム2020がCOVID-19災禍のためできなかったが、その代わりに有志イベントとして、3/6(金)に
HAIシンポジウムアドバンスドオンラインを開催した。その備忘録
スケジュール
- 2/14(金): カメラレディ告知&討論セッション告知(このへんまでは通常スケジュールで動いてた)
- 2/17(月): このままだと実行できないかも、という話が出てくる。日付が近い情報処理学会全国大会やインタラクションなどを調べる(インタラクションはこの時点で実行方針)
- 小松実行委員長より、全体に対して案が募られる。予算締めの年度末のため、遅くとも2月末までに決めたいという話に。
- 2/21(金): 情報処理学会全国大会や、いくつかの研究会が中止、もしくは懇親会停止。
- 2/22(土): 委員長よりフォームによる意見募集。東京都が都主催の500人以上のイベントの制限。神奈川県(実行場所の生田キャンパス)が注意喚起。
- 私からは、延期案を出す。ただこの時期にフィードバックが得られるべきだし、来年度になっちゃうといろいろ予定ズレる、ということも問題に。
- 2/24(月): 現地開催中止が決定。告知。
- プログラム委員長として代わりに何かできないか、と考える。他の学会の対応、オンライン開催等を調べる。
- 2/26(水): 首相から全国規模のイベントの自粛要請。シンポジウムの役割を考え、有志によるZoom開催で代替することを考える。
- HAIシンポジウムはインタラクションと違って口頭の査読はなく、議論と研究のブラッシュアップが中心である。ローカルの価値が強い
- この時期に発表経験を積みたい学生、発表経験を積ませたい指導者、フィードバックを得たい研究者は多いはず
- よって、「業績としての研究成果発表」と「議論・広報のための研究発表機会」を分け、後者を無料、保証なしの有志イベントとして実行する案を出す。
- Zoomを研究室でテストし、行けそうだ、と判断
- 2/27(木): インタラクションがオンライン開催決定
- HAIシンポジウムアドバンスドオンライン(HAISAO)という名前で、発表者にメールを送る。
- 名前はノリで決めた。略称をSAOにしたかったというだけ(聴講者が多いと嬉しいなあ、という願いもあった)
- 3/2(月): 募集締め切り。短い間だったが、口頭の半数、ポスターの1/5が申し込み(ありがとうございます!)
- 3/3(火): 件数的に1日で収まると判断。プログラム作成
- 追加申し込みを含め、なんとか1日に収まる
- ポスターの扱いは迷ったが、ライトニングトークとして、2分+切り替えで2分とした 。
- 座長の調整は間に合わないと判断。自分で行う
- 3/6(金): HAIシンポジウムアドバンスドオンライン実施
- リアル(100~150人)に比べて、Zoomはおよそ40~60名の参加者。YouTubeLiveは最大60名強。
- 開始前1時間で接続チェック
- Zoomの操作自体はわりと良好
- YouTube Liveとの連携でハマる
- 事前に用意した動画URLと連携できず、急遽違うURLを準備
- チャンネルのURLでないとリアルタイム動画にならない、という点を知らずにはまる(https://~youtube~/channel/~/Live というURL)
- ハッシュタグを#HAISAOと決める
オンライン化で気をつけたいこと、やって気づいたこと
- オンライン会議は、少人数でもわりと運営はなんとかなる
- 座長とタイムキープ両方は無理なので、ネットワーキングチェアの宮本さんにその場で依頼
- 慣れてる人(宮本さんや、大阪工大の神田先生のアドバイスは助かった) が多かったのもあるが、実施中の大きなトラブルはほぼなし
- 参加者の負荷は低い
- 起きてそのままパジャマで参加した、という人もいた(もちろん、その人はカメラは使ってない)
- スライド発表自体は問題なく可能
- ただし、ビデオはコマ落ちすることが前提
- アニメーションスライドは通信が遅くなるので、事前に禁止か非推奨としたほうがいい
- 事前に全員テストは無理なので、休憩中に次の発表者が準備する形ですすめる
- チャットで質問・コメント書くのは便利だが、慣れるまでは参加者間に抵抗がある。積極的に質問書き込みを誘導する仕組みがあったほうがいい
- アイスブレーキング的な時間をはじめに用意する、参加者間で簡単な投票を行う、など?
- 発表者・参加者が感じた良い質問に、正のリワードがあってもいいかも
- YouTube Liveの配信は、リアル開催の学会と違って、誰が視聴するかわからない。この点は発表者にとって負担がある、リスクであることは考慮しておく必要がある
- 特に学生の安全には十分配慮する必要があるだろう
- よって、カメラ等はやりたい人のみ、とした
- FaceRigを使った参加者もいる(京都工繊の田中一晶先生が黒猫アバターで参加してて、参加者の癒やしになっていた)
- 記録はZoom(+YouTube)に動画としてアーカイブしてあるが、要請がない限りは一般公開しない
- シンポジウム発表者(+オーガナイザー、スポンサー)をZoom参加者とし、それ以外の参加者をYouTube Live参加者と位置づけた(HAI-SAOで発表しなくても、Zoom参加権を持つ)
- これはライセンス(Proで100人以下)の問題もあるが、 一見さんを増やすためでもある
- 発表中、他の人のマイクは切られるので、反応がなくてちょっとものたりない
- 終わったあとの拍手等もしづらい
- 拍手の機能があるらしいが、ホスト側からうまく確認できなかった
- クライアントテストのため、ホストと別にクライアントとして参加する人も、ローカルにいたほうがいい(研究室では私と別に学生が見てた)
- インタラクティブなデモが体験できない、というデメリットはよく考える必要がある
今後
- 研究会はオンラインで気軽にやってもいいんじゃないか、と思った
- シンポジウム後にクローズドミーティングをしたが、細かい打ち合わせもZoomの方が楽
- もっと競争的な国際会議も、オンラインでもいいのかもしれない
- そもそも欧州の学問はジャーナルと書簡ベースでスタートしてる。同時性、リアルタイム性はそこまで重要か?
- リアルタイムでないと伝わらないデモはあるが、言語化の努力を惜しんではならない
- 計算機科学系の学問が国際会議ベースの評価になっているのは、歴史的な事情によるもの
- 未来永劫これを続けなきゃいけないわけでもない。流れが早すぎる分野にとって、annual conferenceは遅すぎる
- YouTube Liveなど、外部への広報の役割を重視するなら、チュートリアル的なものはもっとあってもいいのかも
- 懇親会として、一緒に(同期して、できれば)お酒を飲める枠が欲しい
- VRChatでオンライン忘年会に参加したことがあるが、あれはいいものだと思う。ただしVRChatはワールドの人数制限がキツイ
- 学会のエクスカージョンが一緒に共有体験をすることに重点があるなら、一緒に映画をみたり、ゲームをやったり、共通のイベントを体験しても成立するのかも
- 実際、VRChatには特定時間に共通のイベントを体験する慣習がある
- IEEE VRはMozilla Hubsでやるみたい。無料。様子を見てみる
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